こんにちは、一般人向け税の知識サイト「わかる税」!御覧いただきありがとうございます!
わかる税では、ごく一般的な方々の「これってどうなん?」という疑問にお答えし、税のリテラシーアップをして頂こう!というサイトです。

今回は「副業したいけど、会社にバレたら面倒くさいな…」というサラリーマン向けに書いています。

弊社は税理士事務所。なので、副業の確定申告の依頼をされる不動産オーナー様や、エンジニア様、漫画家様、作家様などいろいろな方とお話しております。

その中の半分近くの方が「副業バレ」を気にされます。

副業禁止規定があるので、バレないようにしてほしいです!

バレない方法があるならできればそっちにしてほしいです

この方法をやれば100%バレません!という方法はないのですが、どこからバレるのか、どうしたらバレにくくなるか…などを解説します!

なぜ副業はバレるのか?

副業は会社にバレないようにしたい

この悩み、実はとても多いです。特に副業解禁が進んだとはいえ、すべての会社が副業を認めているわけではなく、「本業に支障が出るのでは?」「機密情報が漏れるのでは?」といった懸念から、副業を禁止している会社もまだ多くあります。

そんな中、副業をこっそり始めようとした人が、なぜか会社にバレてしまった──。
よくある話ですが、そのバレる理由は、実はかなり限定されています。

◆ バレる最大の原因は「住民税」

会社にバレる最大のルート、それは「住民税」です。
副業の収入が増えれば、それに応じて所得税や住民税も増えます。所得税は確定申告などで納めますが、問題は住民税。多くの会社員は、会社が年末調整をしたあとに、各市区町村が翌年の住民税を計算し、その金額を会社に通知します。

このとき、副業収入があると住民税が本業の収入に比べてやたら高くなり、会社の給与担当者が「あれ?収入の割に住民税高すぎない?」と気づくことで、副業が発覚するというわけです。

つまり、副業がバレるきっかけは、ほぼ「税金」です。

◆ 給与所得と雑所得の違いも関係してくる

副業で得た収入が「給与所得」か「雑所得」かでも、会社にバレやすいかどうかは変わります。

たとえば、夜にコンビニでアルバイトをしていると、その収入は「給与所得」となり、通常は副業先が源泉徴収をして税務署へ情報を出します。そうすると、あなたの所得情報が税務署→市区町村→会社へ…というルートで巡ってしまう可能性があるのです。

一方で、ウーバーイーツやYouTubeなど、自分で請け負って収入を得る「雑所得」や「事業所得」なら、住民税の徴収方法さえ気をつければ会社に情報が伝わりにくくなります。

◆ バレるパターンの典型とは?

実際によくあるバレ方の例を紹介します。

  • 年末調整後に「住民税がなぜか高い」と人事にバレる
  • 副業先から「給与支払報告書」が送られて会社に副収入が発覚
  • 同僚や知人からSNSや噂で会社にチクられる
  • YouTubeやブログなどの活動を実名でしており、検索で見つかる

こうして見ると、バレるのは不注意な「設定ミス」や「申告ミス」が多いのです。
つまり、ちゃんと対策すれば「バレずに副業」は可能なのです。

副業の種類別「バレやすさ」診断

副業といっても内容はさまざま。会社にバレるリスクも、副業の「形態」や「収入の種類」によって大きく異なります。

この章では、代表的な副業タイプを6つ取り上げて、それぞれの「バレやすさ」と「税務上の注意点」を解説していきます。

2-1. 同業他社でのアルバイト(飲食業・塾講師など)

バレやすさ:★★★★★(非常に高い)
主な収入:給与所得

たとえば、飲食業に勤める方が別の飲食店でアルバイトをする、塾講師が他塾で講義をする、というパターン。こういった給与としてもらう副業は非常にバレやすいです。

なぜなら、アルバイト先が「給与支払報告書」を市区町村に提出するからです。その結果、住民税の通知に「本業以外に収入がある」ことが反映され、会社にバレます。

対策:

アルバイト先に「住民税は自分で払いたい(=普通徴収で)」とお願いできるか確認してみましょう!
(実際には対応してもらえないケースが多い)

2-2. 異業種のアルバイト(コンビニ・清掃・イベントスタッフなど)

バレやすさ:★★★★☆(高め)
主な収入:給与所得

業種が違っても、アルバイトとして雇われ、給与をもらうスタイルである限り、税務上は「給与所得」です。バレ方は上記と同じです。

「土日のコンビニ勤務くらい…」と思っていても、住民税の通知にはバッチリ反映されてしまいます。

対策:

やはり「普通徴収」にできるかどうかがカギ。ただし給与所得では原則「特別徴収」(会社経由)なので、抜け道はほとんどありません。

つまり、従業員として、勤める場合は、アルバイト先が「給与支払報告書」を市区町村に提出し、市区町村がそれを会社に伝えるのでバレる…ということになります。

2-3. ウーバーイーツ・出前館などの配達副業

バレやすさ:★★★☆☆(中程度)
主な収入:雑所得 or 事業所得(業務委託)

配達系副業は「業務委託契約」が一般的です。つまり、給与ではなく、報酬を自分で申告する必要があるスタイル。この場合、税金の処理次第でバレにくくできます。

対策:

  • 確定申告の際、住民税の徴収方法を「自分で納付(普通徴収)」にチェックすれば、本業の会社に通知されません。
  • ただし、報酬支払先(ウーバーなど)が支払調書を税務署に提出しているため、「申告しない」ことは絶対NG。

2-4. ハンドメイド・イラスト販売・フリマアプリなど

バレやすさ:★★☆☆☆(低め)
主な収入:雑所得 or 事業所得

minne、BOOTH、メルカリ、BASEなどで物販や創作活動をしている場合、支払いは売上という形で自分に入るので、基本的に「雑所得」として処理します。会社に情報がいくルートはほぼありません。

対策:

  • 確定申告で「普通徴収」を選択する
  • 収入が増えたら青色申告を検討(ただし開業届提出=副業と認めることになる点には注意)

2-5. YouTuber・ブログ・アフィリエイトなど

バレやすさ:★★☆☆☆(低め)
主な収入:雑所得 or 事業所得

情報発信系の副業も、基本的には自分で管理する収入で、報酬はGoogleやAmazon、ASPなどから振り込まれます。これらの企業は給与支払報告書は出しませんので、会社に通知が行く可能性はほぼゼロです。

ただし、実名で活動していると検索でバレるという別の落とし穴があります。

対策:

  • 本名・顔出しは避ける
  • 振込口座を副業専用にする
  • 確定申告では「普通徴収」に

2-6. パートナー型(家族名義で活動する等)

バレやすさ:★☆☆☆☆(極めて低い)
主な収入:自分ではない人に入る収入

収益を妻・親・兄弟など、家族名義の口座で受け取るスタイル。合法かどうかはグレーですが、税務上は家族の収入になり、自分の住民税には反映されません。

ただし、この場合、税務署にバレると「名義借りによる脱税」と見なされるリスクがあります。社会的にアウトなのでおすすめしません!

対策:

  • 原則は避けるのが無難
  • 家族で共同運営している実態がある場合は経費配分などを明確にする

副業がバレるルートと防止策

副業が会社にバレるのは、なぜ?

その答えはズバリ、「住民税の仕組みによる情報伝達」です。

この章では、副業がバレる代表的なルートと、それを防ぐために知っておきたい制度や申告時の注意点について解説します。

3-1. 住民税で会社に通知がいく仕組み

まず理解しておきたいのが、住民税の仕組み。会社員の場合、住民税は「特別徴収」といって、会社が社員の給与から毎月天引きし、市区町村に納めています。

問題はここから。
あなたが副業で得た収入を確定申告するとその情報が税務署から市区町村へ渡されます。同様に、アルバイト先は市区町村に「給与支払報告書」を提出します。すると市区町村は、あなたの本業分の住民税+副業分の住民税を合算して、会社に「この人から、これだけ住民税を引いてください」と通知するのです。

結果、会社の給与に見合わない金額の住民税通知が届き、「ん?なんか他に収入あるな?」と気づかれるというわけです。

3-2. 住民税通知を「普通徴収」にする方法

では、どうすればバレずに済むのか?

答えは「副業分の住民税は、自分で払う(普通徴収)」にすること。

確定申告書の【住民税に関する事項】欄には、「給与・公的年金等以外の所得にかかる住民税の徴収方法を選択してください」という項目があります。
ここで「自分で納付(普通徴収)」に〇をつけておけば、市区町村は副業分の住民税をあなた個人に直接請求し、会社に通知することはありません。

つまり、このチェック一つでバレるリスクをかなり抑えられるのです。

ただし、ここには注意点も。


注意
  • 給与所得は基本的に「特別徴収」になります(=会社経由で払う)
  • 副業が給与所得の場合、住民税を普通徴収にするのは困難です
  • 市区町村によっては「強制的に特別徴収に切り替える」ケースもあり

なので、「業務委託」や「雑所得」「事業所得」など、給与所得ではない副業の方が、普通徴収しやすく、バレにくいのです。

3-3. 雑所得と事業所得のどちらで出すかの違い

副業収入が給与ではない場合、「雑所得」か「事業所得」として申告することになります。

雑所得:

  • 規模が小さい副業に適用(例:不定期のライティング、少額の広告収入など)
  • 青色申告できない(白色のみ)

事業所得:

  • 継続性・反復性がある場合(例:毎月一定のフリーランス収入など)
  • 青色申告が可能(最大65万円の控除あり)
  • 税務署に「開業届」を出すと、より事業所得と認められやすい

税務署が「事業」かどうかを判断するポイントはさまざまですが、どちらにせよ、給与ではない形にすることで住民税の通知をコントロールでき、バレにくくなります。

3-4. 開業届を出すとどうなる?副業扱いになる?

「副業で開業届を出すと、会社にバレる?」という質問も多くありますが、答えはNO

開業届は税務署に出すもので、市区町村や会社に自動的に情報が行くことはありません。もちろんマイナンバーと結びついているため、税務署や国税には副業の存在が把握されますが、会社に通知されるわけではありません

開業届を出すメリットも大きいです。

  • 青色申告ができるようになる(節税効果大)
  • 副業の「事業性」を証明しやすくなる

ただし、「副業してます」と公にすることになるので、後ろめたさがある場合は提出タイミングをよく考えて。

3-5. マイナンバーと副業追跡のウワサの真相

「マイナンバーで副業がバレるんじゃないの?」
そんな都市伝説的な話もよく聞きます。

結論から言えば、マイナンバーだけで会社に副業がバレることはありません。

マイナンバーは税務署や役所が情報を管理するためのもので、会社は自社社員のマイナンバーしか把握していません。たとえあなたが副業していても、本業の会社が副業先にアクセスできる仕組みは存在しません。

ただし、税務署はすべてお見通しです。副業をしている以上、正しく申告することは必須です。

第4章 種類別・バレない副業戦略

「副業がバレるのはイヤだけど、収入はしっかり得たい!」
そんな人のために、この章では副業の種類ごとに、会社にバレにくくするための実践的なテクニックを紹介します。

ポイントは、
「どう稼ぐか」+「どう申告するか」+「どうもらうか」
この3つです。

4-1. 給与型の副業なら「源泉徴収されていること」に注意

副業で給与をもらう場合(アルバイトなど)、必ず副業先が「源泉徴収」します。つまり、あなたが副業先で働いたことが税務署→市区町村に筒抜けになります。

この場合、住民税を「普通徴収」にすることも難しいため、会社にバレる確率が高いです。

対策

  • アルバイトの代わりに「業務委託契約」で仕事を受ける(次項参照)
  • どうしても給与型で働くなら、バレても問題ない会社か、副業が認められる職場で

身内の事情でどうしても…というパターンの場合は、あらかじめ会社に相談しておくことで【特例】という形で認められるケースもあるようです。

4-2. アルバイトではなく業務委託に切り替える

給与ではなく「報酬」でお金を受け取る場合は、税務署・市区町村から会社に情報が流れません。
つまり、ウーバーイーツ、ライター、ハンドメイド販売、YouTuberなどは有利です。

業務委託契約や成果報酬型の仕事は、住民税の普通徴収がしやすいため、バレにくさは◎。

対策

  • 報酬は個人名義の口座で受け取り、確定申告では「普通徴収」を選択
  • 継続的に収入がある場合は「事業所得」での青色申告も検討

4-3. 振込口座を分ける?家族名義はあり?

「副業用の口座を分けるべきですか?」という質問はよくあります。
これはYESです。

振込や経費の出入りが混ざると、いざ確定申告するときに整理が大変。副業用の口座があれば、収支管理もスムーズで、申告漏れも防げます。

また、たまにある「家族名義の口座で副業をやってバレないようにする」という手段ですが、これはグレーです。
税務署にバレた場合、「名義借り」として否認される可能性もあります。

対策

  • 副業用の銀行口座を一つ用意し、取引をそこに集約
  • 家族名義での副業運営は避け、堂々と申告で防御を固める方が現実的

4-4. 会社の就業規則はチェックした?

意外と見落としがちですが、「そもそも会社の就業規則で副業は禁止されていないか?」というのは超重要ポイントです。

最近は「副業OK」とする企業も増えましたが、

  • 「事前申請制」
  • 「同業他社は禁止」
  • 「会社に迷惑をかける行為はNG」など、条件付きで認めているケースが大半です。

対策:

  • まずは就業規則を読んでみる(社内イントラにある場合が多い)
  • 申請制の場合、上司や人事に正直に相談しておくとトラブル回避に

弊社でも副業は事前申請制をとっています。
税理士が個人で税理士の仕事をしていたり、私は知人の紹介でホームページを作ったりしています。

4-5. 本業に支障をきたさないスケジュールの工夫

税金対策や申告テクニックも大事ですが、「そもそも副業が本業に悪影響を及ぼす」ことでバレるパターンもあります。

  • 出勤中にウーバー稼働がバレた
  • 昼休みに副業の電話を取っていて上司に見られた
  • 疲れで本業のパフォーマンスが下がって心配された

こうした「振る舞い」からの発覚は意外に多いです。

対策:

  • 副業は週末や早朝など「生活に支障が出ない時間帯」に絞る
  • 取引先との連絡は「勤務時間外」に限定する
  • SNSなどでのうっかり投稿にも注意!

4-6. 法律違反にも注意!労働時間と「過労死ライン」

副業をするうえで見落としがちなのが「働きすぎ」のリスクです。
会社にバレるかどうか以前に、労働基準法や健康面でアウトになってしまう副業のやり方もあります。


◆ 複数の会社で働くときは「労働時間の合算」に注意!

労働基準法では、1日8時間・週40時間が原則の上限。
これはどこの会社で働いていても“人単位”で合算されます。

たとえば──

本業副業合計
週40時間(正社員)週10時間(コンビニバイト)50時間(法定超)

このようなケースでは、法律違反になります。

副業先があなたの本業の労働時間を知らなくても、労働基準監督署に是正勧告される可能性があり、副業側にも責任が及ぶリスクがあるのです。


◆ 「業務委託」なら労働時間の縛りなし=自由、でも…

ウーバーイーツやフリーランス、動画編集など、業務委託契約(=請負)での副業は、雇用契約ではないため、法定労働時間の縛りは受けません。

このため、「何時間働いても自由」といえば自由なのですが──
“自由”は“無制限に働いても大丈夫”という意味ではありません。


◆ 「過労死ライン」という、もう一つの“見えない壁”

厚生労働省が定義する過労死ラインとは、

  • 月80時間以上の残業(=時間外労働)
  • 月100時間を超えるとリスクは急上昇

この水準を超えると、脳・心臓疾患などのリスクが高まるとされています。

副業が業務委託で「働き放題」だったとしても、

  • 本業+副業で月80時間超の時間外労働になっていないか?
  • 睡眠時間を削りすぎていないか?
  • 休日を取れているか?

といった自分の健康管理は必須です。


◆ 無理せず、持続可能な副業を選ぼう

「隙間時間で月数万円稼ぐ」くらいが、健康にも本業にもやさしい副業スタイル。
無理をしすぎて本業に支障が出たり、健康を壊してしまっては元も子もありません。

バレないように、ではなく、
「続けられる副業かどうか」も副業選びの基準にしましょう。

第5章 確定申告で副業を隠すはダメ!!賢く処理する方法

副業で得た収入が一定額を超えると、確定申告が必要になります。
この章では、「確定申告で会社に副業がバレないようにするにはどうしたらいいのか?」という実務的なテクニックを解説します。

住民税の「普通徴収」指定や所得区分の選び方など、申告書の書き方一つでバレるリスクは大きく変わります。

5-1. 確定申告時の「住民税に関する事項」欄に注意

確定申告書には「住民税・事業税に関する事項」という欄があります。
ここが最大のバレにくさポイントです。

記入例:

「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」
→ 〇 自分で納付(普通徴収)

この欄に「自分で納付」に〇を付けることで、住民税の通知が会社に行かず、自分に直接届くようになります。
つまり、ここに〇を付けるかどうかで、バレるかバレないかが分かれると言っても過言ではありません。

ただし、給与所得(副業先でバイトしてるなど)は、基本的に「普通徴収にできない」ため、住民税は会社に通知されます。
これを回避したいなら、給与所得以外の収入(雑所得・事業所得)に切り替える工夫が必要です。

5-2. 副業収入が20万円以下なら申告しなくていい?

副業をしている方からよく聞かれるのが、「年間20万円以下なら申告しなくていいんですよね?」というもの。

これは正しくもあり、誤解も多いです。

【正しい理解】

  • 本業が給与のみで、年末調整が済んでいる人は、副業の所得(≠収入)が20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要
  • ただし、「住民税の申告」は必要

つまり、税務署(国)には申告しなくていいかもしれませんが、市区町村(地方)には副業のことを申告する必要があります。
黙っていても副業の支払先が支払調書を税務署に出していることが多いため、申告漏れで後からバレるリスクがあります。

対策:

  • たとえ所得が20万円以下でも、住民税の申告書は提出しておくこと
  • 金額が少なくても、申告しておく方が安心・安全

5-3. 申告しないと税務署にバレる?追徴課税される?

結論から言えば、バレます

とくに副業の報酬が企業から支払われている場合、企業は「支払調書」を税務署に提出しています。つまり、あなたが申告しなければ、税務署側で「あれ?この人、収入あるのに出してないな」となります。

また、最近はマイナンバーと紐づいて情報が管理されているため、以前よりもバレる確率は格段に上がっています。

万が一のペナルティも知っておきましょう

  • 無申告加算税(最大20%)
  • 延滞税(最大14.6%)
  • 悪質と見なされると重加算税(最大40%)も…
対策
  • 少額でも申告する
  • 経費があればしっかり記帳し、課税所得を減らす

5-4. 青色申告 vs 白色申告、副業ならどっち?

副業で事業的な収入(ウーバー、ライター、YouTubeなど)がある場合、「事業所得」で申告すれば、青色申告の適用が可能です。

青色申告のメリット

  • 最大65万円の特別控除(電子申告+複式簿記)
  • 赤字を3年繰り越せる
  • 家族に支払う給与も経費にできる(専従者給与)

ただし、青色申告をするには「開業届」「青色申告開始届」の提出が必要です。これは会社に通知されませんが、節税目的で出すなら、継続的な収入が必要になります。

一方、白色申告は記帳の手間が少ない分、控除が小さくなります。

副業初心者におすすめの流れ

  1. 初年度:まずは白色申告で様子を見る
  2. 翌年以降:収入が安定してきたら開業届+青色申告に切り替える

青色申告の65万円控除は「事業的規模」といえるかどうか…が判断基準になってきます。

【副業確定申告まとめ】

ポイント内容
住民税の徴収方法必ず「自分で納付(普通徴収)」に〇をつける
所得区分の工夫給与所得より雑所得・事業所得がバレにくい
開業届の提出青色申告のために必要。会社に通知されない
金額の大小問わず少額でも申告しておく方が安全

まとめ!副業は「バレない」より「理解される」方向へ

ここまで、副業が会社にバレる理由や、種類ごとのバレやすさ、確定申告や住民税の注意点まで、実務的な観点から幅広く見てきました。

たしかに「バレないように副業をする」ためのテクニックは大切です。
でも──
それだけを目的にしてしまうと、いつか行き詰まります。

◆ 就業規則違反は“バレたらアウト”ではなく“最初からアウト”

会社によっては副業が禁止されていたり、「許可制」「事前申告制」などのルールを設けているところも少なくありません。

その場合、バレたかどうかではなく、やった時点で規則違反です。
最悪の場合、懲戒処分や解雇のリスクもあり得ます。

バレなければOKではなく、「ルールを守った上でできる副業か?」という視点を持つことが、長く続けるコツです。

◆ 収入よりも、信頼を失うことの方がリスク大

月数万円の副業収入を得られても、
それが原因で会社との信頼関係が壊れてしまったら、本末転倒です。

もちろん、すべての企業が副業に寛容ではありません。ですが近年は、国の政策としても副業を後押ししており、「働き方の多様化」が重要視されてきています。

無理に隠してこそこそやるより、「理解される副業」に育てていくというのも、ひとつの選択肢です。

◆ 副業の「信頼構築」=本業の信用を保ったうえで、丁寧に説明すること

副業を公にしても問題ない関係性を築けていれば、いちいち隠す必要もなくなります。
それは、あなたの本業での信頼・実績があるからこそ、可能になるもの。

  • 本業に影響を与えないことを約束する
  • 副業がスキルアップに直結していることを説明する
  • コンフリクト(利害の衝突)がないことを明確にする

こういったアプローチができれば、副業を「否定されるもの」ではなく、「応援されるもの」に変えることも不可能ではありません。

◆ 「バレない副業」より、「自分を活かす副業」を目指そう

このコラムでは、バレないための実務知識を丁寧に紹介してきましたが、最後にお伝えしたいのは次のことです。

副業は、“誰にもバレずにコッソリやる”だけのものではなく、
“自分の能力や価値を広げる”ための一歩にすると、
会社にも、自分にもプラスになって良いね!

「ちょっとやってみたいな」が、将来の選択肢を広げてくれるかもしれません。
税金や法律を正しく理解しつつ、安心して・継続できる副業ライフを、ぜひ楽しんでください。

投稿者プロフィール

YFPクレアグループ
YFPクレアグループ
税理士法人、行政書士法人、社労士事務所などのグループです。
税制は複雑化していく一方で、税理士を必要としない人々の税に関する知識は更新されていない…と感じ、より多くの人が正しい税知識を得て、よりよい生活をしてもらえたらいいなぁと思って開設したサイトです。専門用語には注釈をつけたり、いつも払っているだけの税金のその先も知ってもらえたら嬉しいです。

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