テレビCM等々で「がん保険特約」「使わなかったら返金あり!」みたいなのを見たり、
ガンを告白する芸能人がいたり…
知人友人でガンや脳梗塞になった人がいたり…

保険っていうけど、生命保険や損害保険とはちょっと違う「第三分野」。
今回はそんな第三分野の保険について解説します。

第三分野(医療・がん・介護・就業不能など)は、公的保障がある日本でも“自己負担になりやすい穴”を埋めるための保険です。
今回は日本人の死因にもなりがちで心配する人が多いガン、心筋梗塞、脳梗塞などに使える「がん保険」「先進医療特約」「特定三大疾病保障定期保険」を、なるべく数字で噛み砕いて整理します。

1. まず前提:公的保障で「どこまで」守られる?

日本では「皆保険制度」をとっており、国民ゼイン員が公的医療保険に加入することが義務付けられています。日常的にも、病院に行けば1割~3割負担で助かったなぁと思う人もいらっしゃるかと思いますが、実際に脳梗塞などで入院生活が長くなったりするとその比ではないくらい助かった!の声が上がるのが「高額療養費制度」です。

高額療養費制度とは?

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が、ひと月(月の初日から末日まで)で一定の金額(自己負担限度額)を超えた場合、その超えた額が公的医療保険から払い戻される(支給される)制度です。国民の医療費負担を軽減することを目的としています。

前年の収入に応じて負担額の限度は決まっています。住民税非課税世帯では35,400円、年収約1,160万円では252,600円+1%となっております。
入院や治療で前年通りのお仕事ができない場合であってもこのように高額の請求(ただし治療自体はもっと高額なのですが…)だと、家族構成や家計状況によっては、子供が進学を断念したり、住宅ローンなどの支払いが滞ったり、病気の心配と同時にお金の心配が発生します。

また、公的保険制度が使えない先端医療を受けたら治る可能性がある!とあれば、家族はなんとかして治したい!という気持ちにもなるかと思います。

まずはざっくりでも、「万が一、病気になったときにかかる高額療養費はいくらくらいか?」を知ってから第三分野についてを考えることにしましょう!

高額療養費制度の上限(70歳未満の例)

医療費の自己負担(3割など)が高額になっても、1か月の自己負担には上限があります。
たとえば区分ウ(標準報酬月額28万〜50万円程度)では、自己負担上限は次の式です。

区分ウの高額療養費制度の上限=80,100円+(総医療費−267,000円)×1%
(過去12か月で4回目以降の「多数回該当」になると 44,400円

総医療費100万円かかった月(区分ウ)

上限=80,100円+(1,000,000−267,000)×1%
=80,100円+7,330円
87,430円

100万円の治療を受けても、自己負担額はたったの87,430円!
となる制度です。

ここまで見ると「医療保険いらないのでは?」となりがちですが、次が落とし穴です。

高額療養費でも軽減されない代表格

  • 差額ベッド代、入院時の食事代の一部、交通費、付き添い、家事外注などは、対象外。
  • そして重要なのが 先進医療の技術料。これは公的医療保険の対象外=高額療養費の軽減も効きません
  • 他にも保険適用外の治療や薬剤費は対象外です。

治療については保険の範囲内、治療に関わらない部分は自費になります。
それらを支えるのが第三分野の保険です。

2. がん保険:いまの主役は「入院日額」より「一時金+通院・薬剤」

がん保険は、がんに特化している保険です。

  • 診断給付金(一時金)
  • 入院・手術
  • 通院
  • 抗がん剤(化学療法)・放射線治療
    などをカバーする設計が多いです。

2-1. がん保険でよくある給付の形

(1)診断給付金(一時金)
がんと診断確定されたときに、まとまったお金が出るタイプ。使い道が限定されないのが強みです(生活費・通院費・ウィッグ等にも回せる)。

ガンと診断されて真っ青になってしまいがちですが、大金が入ることで今後のことを前向きに考えることができた…という方もいらっしゃいます。

(2)通院・治療給付(抗がん剤・放射線など)
いまのがん治療は、入院よりも通院で治療が継続するケースが増えるため、通院や薬剤治療に給付が出る設計を重視する考え方が一般的です。

2-2. 金額の“決め方”の目安(設計例)

ここからは「正解の金額」ではなく、考え方です(家計・貯金・働き方で最適解が変わります)。

  • 診断一時金:50万 / 100万 / 200万
    • 50万:貯金がそこそこあり「当面の立替+α」
    • 100万:通院治療が続く前提で「生活費の穴も少し埋めたい」
    • 200万:自営業などで「収入減が怖い」「自由診療・先進医療も視野」
  • 通院・薬剤治療:月10万前後 or 通院日額5,000円など(商品差が大きいので“出る条件”を優先して確認)

保険だけで考えるなく、預貯金や固定費などを考慮するといいでしょう。

2-3. がん保険の注意点(超重要)

上皮内新生物の扱い
「がん」の定義が商品で違い、上皮内新生物が

  • 対象外
  • 対象だが減額(例:◯%)
  • 満額
    のように分かれます。ここは約款・契約概要で要チェックです。

3. 先進医療特約:「技術料だけが全額自己負担」という穴を埋める

3-1. 先進医療の費用構造(ここを知らないと判断できません)

診察・検査・入院料などは公的医療保険が効く(=高額療養費の対象になり得る)のですが、先進医療の“技術料”は公的医療保険の対象外です。→つまり全額自己負担!

でも、先進医療ってどのくらいかかるのか?と聞かれても経験者と医療関係者以外はほとんどご存知ないと思います。なので次の単元で紹介しましょう!

3-2. 具体的にいくらかかる?

例として、

  • 重粒子線治療→350万円
  • 陽子線治療 →326万円
  • 子宮内膜受容能検査→13万円

などがあります。今後も先進医療は増える可能性もあります。加入後に認可された場合であっても、治療のタイミングで認可されてたら、先進医療特約の対象になります。

3-3. 特約の支払限度は?

では、仮に350万円の治療を受けたら、

多くの先進医療特約は「技術料と同額」を支払い、通算2,000万円などの上限を置く設計です。

3-4. 保険料の目安感

先進医療特約は、一般に月100〜200円程度と説明されることが多いです(年齢・商品で差はあります)。

3-5. 「付けるべき人/いらない人」の考え方

  • 付けると安心:
    • 貯金から数百万円を一括で出すのが痛い
    • がん等で先進医療を検討する可能性がある
  • 優先度が下がる:
    • 数百万円の自己負担に耐えられる貯金があり、他の保障(就業不能等)を優先したい
    • そもそも先進医療を選ばない方針が明確

※対象となる先進医療や実施医療機関は厚労省のページで更新されます。

4. 特定三大疾病保障定期保険:医療保険ではなく「大きな一時金(=生活・ローンの穴埋め)」の発想

これは名前がややこしいのですが、イメージはこうです。

  • がん・急性心筋梗塞・脳卒中などで所定の状態に該当したら、死亡保険金と同等(または近い額)のまとまった保険金が出る
  • 出た時点で契約(特約)が消滅するタイプも多い
    (※商品により「払込免除だけ」「一時金+死亡も一定」など設計が分かれます)

4-1. ここが重要:心筋梗塞・脳卒中は「診断だけ」では出ないことが多い

がんは診断確定で一時金が出やすい一方、
急性心筋梗塞・脳卒中は「所定の手術」や「所定の状態が60日以上継続」など、追加条件が付くのが一般的です。

4-2. この保険が刺さる人(典型)

  • 住宅ローン・教育費など、家計が長期固定費でパンパン
  • 貯金で数か月〜1年分の生活費を吸収できない
  • 万一のとき、治療費より「収入・返済」の穴が怖い

家族の大黒柱の方が入られるケースが多いです。

4-3. 金額の考え方(設計例)

医療費というより、生活設計で決めます。

  1. まず毎月の固定費(住宅ローン、家賃、教育費、保険料、最低生活費)を出す
  2. 「半年分」or「1年分」あたりを特定三大疾病保障定期保険の一時金で埋めるイメージ
  3. 住宅ローン団信が強いなら、ローン部分は差し引いて考える。団信の内容も確認を!

もしもに備える保険。定期的に内容を見て、今の状況にあっているか、過不足を確認するのもいいですね!

5. 結局どう組む?(おすすめの整理の仕方)

まずは優先順位を1行で決める

  • 治療が長引くのが怖い → がん保険(診断一時金+通院・薬剤)中心
  • 数百万円の先進医療が怖い → 先進医療特約を上乗せ
  • 家計が止まるのが怖い(ローン・教育費) → 特定三大疾病保障(定期)を検討

組み合わせ例(よくある形)

  • 会社員で貯金そこそこ:がん保険(診断一時金100万程度)+先進医療特約
  • 自営業・休むと売上が落ちる:がん保険(診断一時金を厚め)+(必要なら)三大疾病保障で生活費穴埋め
  • 住宅ローン・教育費が重い:三大疾病保障(定期)で大きな一時金+がんは診断一時金を薄めに

こんな感じの組み合わせが多いです。

まとめ!備えあれば憂いなし!

重い病気になってしまった…というときに、病気の心配+お金の心配をするか、日ごろからもしもに備えておいて、万が一病気になってしまった!というときに、病気の心配だけで済む…というのでは、患者のメンタルもまったく異なります。

必要以上に保険を掛ける必要はないと思いますが、何にいくら必要かを検討をしてから考えてみるのがいいかと思います。

また、どの病気になりやすいか…からアプローチもしてみるのもいいかもしれません。
私自身はガンで亡くなった身内はほぼいないのですが、歴代同じ持病を抱えていたりします。
また、1万円くらいで遺伝子検査をしてみたら、やはりどの病気になりやすいか傾向が見えます。
その傾向に合わせて掛ける…とかなら最小限の出費で、適度な保障になるかもしれません。

そして何より大事なのは、保険を掛けるのもいいのですが、一番大事なのは健康でいられること!
皆様の健康とご多幸を願っております。

投稿者プロフィール

YFPクレアグループ
YFPクレアグループ
税理士法人、行政書士法人、社労士事務所などのグループです。
税制は複雑化していく一方で、税理士を必要としない人々の税に関する知識は更新されていない…と感じ、より多くの人が正しい税知識を得て、よりよい生活をしてもらえたらいいなぁと思って開設したサイトです。専門用語には注釈をつけたり、いつも払っているだけの税金のその先も知ってもらえたら嬉しいです。

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