「当座預金って聞いたことはあるけど、結局なにに使う口座?」
そんな方向けに、当座預金の役割を“普通預金との違い”からやさしく整理します。これからビジネスを始める方にも、日常でふと不思議に思った方にも役立つ内容です。
当座預金は「小切手・手形の決済」に強い口座です
当座預金(とうざよきん)は、一言でいうと 「商取引の支払い・回収(決済)に使うための口座」です。
特に、次のような“昔ながらの商習慣”で登場します。
- 小切手で支払う
- 手形(約束手形など)で支払う/受け取る
- それらを銀行で決済する(期日に引き落とされる)
普通預金が「振込・引き落とし・ATM」など日常向けなのに対し、当座預金は“事業の決済向け”に特化しています。
普通預金と何が違う?いちばん大きい違いは「利息がつかない」
当座預金の特徴としてよく挙がるのがこれです。
1) 原則、利息がつきません
当座預金は、基本的に利息がつかない(ついてもごく限定的)口座です。
目的が「増やす」ではなく「決済(支払いの確実な処理)」にあるからです。
2) 小切手・手形を扱う前提の口座
当座預金は、小切手帳の発行や手形の決済口座としての利用が中心です。
つまり、普通預金よりも「企業間取引の決済」に寄った口座だと思ってください。
3) 口座開設に審査があるのが一般的
当座預金は、銀行側も「決済の要(かなめ)」として慎重に扱います。
そのため、普通預金よりも審査がしっかりになるケースが多いです(事業実態や信用状況の確認など)。
当座預金が必要になるのは、どんなとき?
最近は振込が主流になり、当座預金が必須ではない業種も増えました。
それでも、次のような状況では「当座が必要/あると便利」になります。
ケース1:取引先から「小切手で払ってください」と言われる
特に一部の業界や取引慣行で、小切手・手形が残っていることがあります。
弊社のような会計事務所でも、本当にたまに小切手や手形による取引を見ることあります。
でも本当に少なくて、ほとんど振込などによる取引です。
ケース2:手形を受け取る商売をする
受け取った手形は、取立て・決済の流れがあり、当座が絡むことが多いです。
ケース3:対外的な信用面で求められる
当座預金は審査が入ることが多いため、取引先によっては
「当座がある=会社として一定の体裁が整っている」と見られることもあります(※過信は禁物ですが、実務上そういう場面はあります)。
逆に、当座預金が「いらない」ことも多い
これから事業を始める方だと、結論としてはこうなることが多いです。
- 支払いは 振込が中心
- 受け取りも 振込(または決済サービス)中心
- 小切手・手形は使わない
この場合、まずは 普通預金(事業用)+ネットバンキングで十分なことが多いです。
無理に当座を持つ必要はありません。
ビジネス始めるならプライベート用と仕事用の口座を分けるのは大事!
これからビジネスを始めるなら、最初にやっておきたいのが 「プライベート用」と「仕事用」の口座を分けることです。
当座預金は“手形・小切手の決済用”なので、振込中心のビジネスなら、まずは 事業用の普通預金口座を1つ作って、ネットバンキングを使うのが現実的でラクです。
当座預金じゃなくて「普通預金+ネットバンキング」でいい理由
振込や引き落とし、入金確認など、日々の資金管理は普通預金で十分回ります。ネットバンキングを使えば、銀行に行かなくても次のことができます。
- 取引先への 振込
- 入金の 確認
- 振込履歴の検索(いつ・いくら・誰に)
- 税金や社会保険料などの 引き落とし口座としての利用(※金融機関により可否あり)
「小切手・手形を使わない」なら、当座預金の出番は少ない、というわけです。
口座を分けておくと、こんなメリットがあります
「どうせ自分のお金だし、同じ口座でよくない?」と思いがちですが、分けておくメリットはかなり大きいです。
金融機関・取引先からの信用面でもプラス
事業用口座をきちんと用意しているだけで、取引や支払いの管理が“事業として整っている”印象になります。将来、融資や法人口座の審査でも説明がしやすいです。
お金の流れが一発で見える(経営判断が速くなる)
売上が入って、経費が出て、今いくら残っているか。仕事用口座だけ見れば把握できるので、資金繰りがラクになります。
帳簿づけ・確定申告が圧倒的にラク
通帳(明細)がそのまま「仕事のお金の履歴」になるので、仕訳の判断が簡単になります。
会計ソフトへの取り込み(CSVやAPI連携)もしやすく、時間短縮に直結します。
税理士に依頼する場合も圧倒的に効率が違うので、
経費の混ざり(私的支出の混入)を防げる
同じ口座だと、プライベートの支払いが混ざって後で「これは経費?私用?」と迷子になりがちです。分けておくと、税務上も説明がしやすくなります。
当座預金で注意したいポイント
小切手や手形を使うから当座預金はやっぱり作りたい!という方に…
当座預金は「決済の口座」なので、運用を間違えると痛いです。
1) 残高不足は信用問題になりやすい
当座預金で小切手・手形を扱う場合、決済日に残高不足になると、取引信用に大きく影響します。
(業務上のダメージが大きく、場合によっては取引停止に繋がることも。)
2) 「ただの銀行口座」よりも管理がシビア
普通預金の感覚で「残高はだいたい大丈夫でしょ」と運用すると危険です。
当座預金を使うなら、資金繰り管理(入出金予定の管理)がセットになります。
口座を作る流れ(ざっくり)
銀行によって違いはありますが、一般的には
- 取引銀行に相談(当座を作りたい理由を説明)
- 事業の情報提出(法人・個人事業の状況、取引内容など)
- 審査
- 開設後に小切手帳等の手続き
という流れです。
「とりあえず作っておく」は通りにくいこともあるので、必要性を具体的に説明できるとスムーズです。
まとめ:当座預金は「商取引の決済用」。
必要なら作る、不要なら無理に作らない
これからビジネスを始めよう!という方も、一般常識として当座預金について知っておこう!という方もご理解いただけましたでしょうか?
当座預金にはこんな特徴がありました!
- 当座預金は 小切手・手形などの決済に使う口座
- 利息はつかないのが基本
- 審査があることが多く、口座管理もシビア
- 振込中心なら、まずは 普通預金(事業用)で十分なケースが多い
お金は大事!ぜひ今後も「わかる税」で税やお金の知識をゲットしていただけましたらうれしいです!
投稿者プロフィール

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税理士法人、行政書士法人、社労士事務所などのグループです。
税制は複雑化していく一方で、税理士を必要としない人々の税に関する知識は更新されていない…と感じ、より多くの人が正しい税知識を得て、よりよい生活をしてもらえたらいいなぁと思って開設したサイトです。専門用語には注釈をつけたり、いつも払っているだけの税金のその先も知ってもらえたら嬉しいです。
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