こんにちは。わかる税です!最近は街中でもエンジン音がしない静かな車を見かけることが増えましたね。トラックなどでも大きくEVと書かれているのもよく見かけます。これらは一般に電気自動車(EV)と呼ばれます。

政府が発表した「令和8年度税制改正大綱」では、こうしたEVに対する税金の仕組みを大きく見直す方針が示されました。今回は、EVとは何かという基本から、私たちの家計にどう影響するのかまで、分かりやすく解説します。

1. そもそも「EV」とは?

まず、今回課税の対象として議論されている車の種類を整理しましょう。

EV(電気自動車):ガソリンを使わず、電気を充電してモーターで走る車です。

PHEV(プラグインハイブリッド車):ガソリンと電気の両方を使い、コンセントからも充電できる車です。

FCV(燃料電池自動車):水素で発電して走る車です(今回の改正大綱では、税金の計算上、EVの仲間に含まれます)。

これまで、これらの車は「地球にやさしい(カーボンニュートラル)」という理由で、税金面で非常に優遇されてきました。しかし、普及が進むにつれて、「ガソリン車との公平性」という新しい課題が出てきたのです。

現在のEVにかかる税金は?

購入時

  • 消費税(車両本体・オプション等に通常どおり)
  • 環境性能割(自動車税/軽自動車税)
  • 自動車重量税(新車登録時・車検時)

保有時(毎年)

  • 自動車税(種別割)(普通車)
  • 軽自動車税(種別割)(軽EV)

買うとき:環境性能割(取得時の税)

環境性能割は「購入時にかかる地方税」で、通常は取得価格に対して 0~3%(軽は0~2%) の範囲で燃費性能等に応じて課税されます。免税点(取得価格50万円)もあります。

そして EV(電気自動車)等は“非課税” の扱いになっています(期間区分つきで整理されています)。

車検まわり:自動車重量税(エコカー減税)

自動車重量税は、新車登録時と車検(継続検査)のタイミングでかかります。

EVは「エコカー減税」の対象で、一定期間の新車新規登録等について“免税” になり、さらに 新車登録時に免税を受けたEV等は“初回継続検査時も免税” と整理されています。
(適用期間:令和5年5月1日~令和8年4月30日)

毎年の税金:自動車税(種別割)・グリーン化特例

普通車(自動車税 種別割)

EVは排気量がありませんが、税率表上は 「電気自動車」枠(1L以下相当) の扱いになっています。たとえば東京都主税局の税率表でも、乗用車(3・5・7ナンバー)で 電気自動車:年額25,000円(令和元年10月1日以後の初回登録) と明記されています。
また、兵庫県の案内でも 「電気自動車は総排気量が1,000ccの自動車とする」 と書かれています。

ただし、EVは「グリーン化特例」で翌年度が軽くなる

EVは 新車登録の“翌年度分”に限って、概ね75%軽減(=グリーン化特例)があります。

例:基準年額 25,000円の 概ね75%軽減 → 実質 6,500円(翌年度分だけ、というイメージ)

ポイント:買った年ではなく「翌年度分だけ」軽くなるのが肝です(その後は原則、通常税率に戻る)。

軽EV(軽自動車税 種別割)の目安

軽自動車(四輪以上・自家用)の標準税額は 年10,800円 が一般的で、EV等はグリーン化特例で “75%軽減(2,700円)” の区分が示されています(自治体ページの税額表例)。

“走るとき”の税金はどう違う?

  • ガソリン車:ガソリン代に 揮発油税・地方揮発油税 など燃料課税が上乗せ(+消費税)
  • EV:そうした燃料課税は基本的にかからず、電気代に消費税 が乗る形

つまり、税の構造としては 「購入・保有・車検の税が軽くなりやすい」+「燃料課税がない」 のがEV側の特徴です。

補助金(税金ではないけど、税務上は要注意)

EV購入では CEV補助金 などが絡むことが多いですが、補助金を受けた車両は 原則3年または4年の保有義務 があり、期間内に処分する場合は事前手続きと返納(財産処分)が必要、とされています

2. なぜ今、EVへの課税が見直されるのか?

現在、ガソリン車の持ち主は、ガソリンを給油するたびに「揮発油税(ガソリン税)」を支払っています。この税金は、主に道路の維持管理などの財源として使われています。

一方、電気で走るEVはガソリンを使いません。つまり、「道路を走って道路に負荷を与えているのに、ガソリン税を通じた道路の維持費を負担していない」という状態になっています。

また、これまでの「自動車税」は、エンジンの排気量(〇〇cc)で税額が決まっていました。しかし、EVにはエンジンがないため、一律で最も低い税率が適用されてきました。こうした「動力源の違いによる負担の差」をなくし、公平な仕組みにしようというのが今回の改正の狙いです。

3. 具体的な変更点

(1)自動車税が「重量」で決まるように

令和10年度(2028年度)以降、新しく登録されるEVの乗用車については、これまでの「一律の最低税率」が見直されます。

変更内容:排気量の代わりに「車両の重量」に応じて税金が決まる方式が導入されます。

理由:重い車ほど道路を傷めやすい(道路損傷性がある)と考えられているためです。

安心ポイント:普及を後押しするため、急激な負担増にならないよう、他の車(ガソリン車など)の平均的な税率と同じくらいの水準になるよう調整される予定です。

(2)車検の時に払う「新しい負担」

ガソリン税を払っていないEVやPHEVのユーザーに対し、「利用段階での公平性」を確保するための新しい負担が導入されます。

徴収方法:手続きをシンプルにするため、「自動車重量税」の特例加算という形で、車検の時にまとめて徴収されます。

開始時期:令和10年(2028年)5月1日以降の車検から適用されます。

税額の目安:ガソリン車が平均的に負担しているガソリン税の額を参考に検討されます。
EVよりはガソリンを使うPHEV(プラグインハイブリッド車)については、EVの半分程度の負担額が目安とされています。

免除措置:新車を買った最初の検査(新規検査)の時は、この新しい負担は免除されます。また、すでにお持ちの車(既販車)も、制度が始まって最初の継続車検時は免除されるという経過措置があります。

4. 取得時の税金「環境性能割」は廃止へ

悪いニュースばかりではありません。車を買うときにかかっていた「自動車税環境性能割(および軽自動車税環境性能割)」は、令和8年(2026年)3月末をもって廃止されることが決まりました。これにより、購入時の負担は軽減され、手続きもシンプルになります。

まとめ

今回の改正を一言でまとめると、「EVを特別な車として扱う段階から、一般的な車として『みんなで公平に道路を支える』段階へとシフトした」と言えます。

EVの普及を応援する仕組み(エコカー減税など)は、燃費基準を厳しくしつつも継続されますが、今後は「電気だから何でもお得」というわけではなく、重量や環境性能をしっかりとチェックして車を選ぶ必要が出てきそうです。

私自身、実はEVの所有者です(笑)正直、これが出たとき、ガソリン減税を応援した結果、我が家が増税されたぁぁぁ!!!と思いましたが、1日寝て冷静になったら「まぁ公平になったな(笑)」となりました。税金の平等性と流通弁という役割の間を上手にやってほしいと思います。

投稿者プロフィール

YFPクレアグループ
YFPクレアグループ
税理士法人、行政書士法人、社労士事務所などのグループです。
税制は複雑化していく一方で、税理士を必要としない人々の税に関する知識は更新されていない…と感じ、より多くの人が正しい税知識を得て、よりよい生活をしてもらえたらいいなぁと思って開設したサイトです。専門用語には注釈をつけたり、いつも払っているだけの税金のその先も知ってもらえたら嬉しいです。

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