この記事でわかること
- 執行役員は法的にどんな立場なのか
- 住宅ローンで法人の決算書を求められることがあるのはなぜか
- 銀行窓口でどう説明すればよいのか
「役員だから会社の決算書を出してください」と言われたときに知っておきたいこと
会社でもそこそこ出世し、夢のマイホームを買おう!そんな気持ちで住宅ローンの相談に行ったとき、銀行の担当者から「執行役員なら、法人の決算書や申告書が必要です」と言われて驚いた――そんなケースがあります。
でも、ここで多くの方がこう思うはずです。
「執行役員って、取締役とは違うのでは?」
「会社法上の役員ではないのに、なぜ会社の決算書まで必要なの?」
この疑問、もっともです。
実際、執行役員になっている人は知っているかと思いますが、そうではない人にはあまり知られていませんが、実は、一般的な執行役員は、法律上の“役員”ではありません。
ところが、住宅ローンの審査では、銀行が執行役員を“役員に近い立場”として見て、法人の決算書や申告書の提出を求めることがあります。
つまり、法律上の整理と、銀行の審査実務は必ずしも一致しない。
ここが、この話をややこしくしているポイントです。
「執行役員だから当然に会社の決算書が必要」と言われてモヤモヤしている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
結論
執行役員は通常、会社法上の役員ではありません
まず結論からお伝えします。一般的な会社でいう執行役員は、通常、会社法上の役員ではありません。
会社法でいう「役員」は、株式会社であれば主に次の人たちです。
- 取締役
- 監査役
- 会計参与
このほか、指名委員会等設置会社には執行役という制度がありますが、これは一般にいう執行役員とは別物です。
つまり、名前は似ていますが、
- 執行役 → 会社法上の制度
- 執行役員 → 会社が任意で設ける社内の役職
という違いがあります。
そのため、通常の執行役員は、
「役員」という名前がついていても、法律上は取締役などと同じ立場ではなく、どちらかというと、役員というよりは従業員。ただ、取引先などには「上の方の役職だよ!」とわかりやすく示すために執行役員にすることがあります。
では、なぜ住宅ローンで法人の決算書を求められるのか
ここが一番大事なポイントです。
銀行の住宅ローン審査では、単に「法律上の役員かどうか」だけを見ているわけではありません。
銀行が見ているのは、もっと実務的な部分です。
たとえば、
- 年収の安定性
- 勤務先の業績の影響を受けやすい立場かどうか
- 一般社員より経営に近い立場かどうか
- 会社の状況と本人の収入がどの程度連動するか
といった点です。そのため、銀行によっては、会社役員や経営者には個人の収入資料だけでなく、法人の決算書や申告書の提出を求める ことがあります。
銀行が執行役員に法人の決算書を求める場面では、必ずしも法律論で動いているわけではありません。実際には、「その肩書きは経営に近いのではないか」という実務上の見立てから、追加確認の対象にしているケースが少なくありません。
会社が融資を受けるわけでもなければ、役員が住宅ローンを受けるわけでもない。
ただ、仕事の都合で「執行役員」という肩書を付けただけで、会社の決算書を出さないといけない…って従業員からするとちょっときついですよね。
なので、回避できるかもしれない方法についてもお話しします!
補足資料があるとスムーズなこともある
銀行によっては、次のような資料で立場の説明がしやすくなる場合があります。
- 在籍証明書
- 雇用契約書
- 給与明細
- 源泉徴収票
- 組織図
- 社内の役職制度がわかる資料
執行役員という肩書きだけで機械的に判断されると、話がややこしくなることがあります。
そのため、「自分は登記役員ではなく、雇用される立場である」 ことが伝わる資料があると安心です。
銀行からすると「あなたが今後も安定した収入があって、ちゃんとお金を返してくれる人か」を判断するためなので、逆に言えば、従業員として守られている立場であることや、安定収入である!ということを主張できればいいということです。
面倒でしょうけど、がんばって!!
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税理士法人、行政書士法人、社労士事務所などのグループです。
税制は複雑化していく一方で、税理士を必要としない人々の税に関する知識は更新されていない…と感じ、より多くの人が正しい税知識を得て、よりよい生活をしてもらえたらいいなぁと思って開設したサイトです。専門用語には注釈をつけたり、いつも払っているだけの税金のその先も知ってもらえたら嬉しいです。
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