
スポットバイトも確定申告が必要?
経験から学んだ手続きのリアル
私はメインのアルバイトの傍ら、スキマ時間を活用してスポットワークアプリ「タイミー」を利用し、単発バイトもしていました。
当然やってくるのが、確定申告です。これまで2か所給与の簡単な申告しか経験がなく、スポットバイトの収入も含めた申告は初めて。緊張しながらも、なんとかスマートフォンを使ってe-Taxで手続きを終えました。
実際にやったことは、ざっくりまとめると以下の通りです。
- メインのアルバイト先から源泉徴収票を取得
- タイミーアプリで源泉徴収票をダウンロード
- それらをe-Taxの画面の指示に従ってアップロードし、手続きを進めて申告完了
もっと細かく説明しようと思えば出来るんですけど、冗長になるので端的にお届け。
いやぁ、スマホだけで完結できる時代になりましたね。便利になったものです。
用意するモノは、スマホ、マイナンバーカード(またはID方式)、源泉徴収票だけです。
今はスマホのカメラで源泉徴収票をパシャするだけで、転記されるので驚くほどラクになりました。
と、感慨にふけりながらタイミーで源泉徴収票をダウンロードした私はちょっとびっくりする羽目になりました。
PDFペライチだと思っていたら、中身が5ページくらいある。思いのほか多くて焦りました。
いやね、少し考えたらわかりますよ、働いた会社が違うんだから、源泉徴収票だってそれぞれ発行されるものだということは。
でも1日分の給料だけがかかれた源泉徴収票がズラッと並んでると、多少は面食らいますよね。なんというか……ちょっと面白くすらあるというか。
ここで疑問になってくるのが、「そもそもスポットバイトの収入に関して、確定申告が必要なのかどうか。
それは次に説明していきましょう。
そもそもスポットバイトに確定申告は必要?
結論から言えば、今回の私の働き方だと、副業での給与収入が20万円を超えた場合には、原則として確定申告が必要です。
これは国税庁の基準によるもので、主たる勤務先で年末調整されている場合に、副業分が基準額を超えた際に求められる手続きです。
【根拠】
国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm
二か所以上から給与の支払を受けている方で、その主たる給与以外の給与および給与所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える方は、確定申告が必要です。
つまり、メインのバイト先があり、副業としてのスポットバイトなら、その収入が年間20万円を超えたら、確定申告が必要ということになります。
確定申告しなくていい!でも住民税は別?
副業収入が年間20万円以下の場合、確定申告は不要とされています。ただし、これはあくまで所得税の話。住民税については別途申告が必要になる自治体があります。
私の場合、申告先は新宿区で、スポットバイトの収入は20万円以下。所得税の確定申告は不要だけれど、新宿区のルールでは、副業での給与収入がある場合、その額にかかわらず住民税の申告が必要でした。
このように、住民税の取扱いは自治体によって異なります。墨田区や江東区などでも、副業がある場合には住民税申告を求められる傾向があります。
住民税だけの申告ってどうすればいいの?
それでは、住民税の申告はどうやってすれば良いでしょうか。
住民税だけを申告する場合は、地方税の申告になるので、各自治体のサイト等で様式をダウンロードして書類を作成し、役所で直接提出するか郵送で提出するか、といった手段を講じることになります。
一部自治体では電子申請も可能なようですので、こちらもやはり申告する自治体の公式サイトなどを確認してみるのが良いでしょう。
それも面倒、もっと簡単に済ませたい!という方には、ちょっと荒業ですが、こんな方法もあります。
結局、確定申告をすれば住民税申告も兼ねられる
そうなんです。確定申告をきっちりやると、住民税の申告も自動的に完了するんです。
「住民税申告の為だけに役所へ行くのは面倒」
「うちのところは電子申告対応してなかった…紙を用意するのも郵送もお金かかるなぁ」
というお悩みの方には、ただ住民税申告をするより、所得税の確定申告をしてしまう方が時間的にも手続き的にもおすすめできる方法かと思います。
所得税は国税なので、e-Taxも使えますし、出たての頃より使いやすくなっていると感じます。
ただ、確定申告をするということは、申告しなければ存在しなかった税金が発生する可能性が大いに有り得るということである、と理解しておく必要があります。副業側、今回で言えばスポットバイトの収入が源泉徴収されているのか等を確認して、ご自身に適切な方法で申告をすることをおすすめします。
私はズボラなので、「とりあえず確定申告しとけば大丈夫ってことでしょ!!」という勢いだけで済ませていますが、まあ、この姿勢はあまりお勧めできないということですね、ハイ。
まとめ
スポットバイトや副業をしていると、たとえ金額が少なくても税務申告の必要が生じる可能性があります。以下の点を意識しておきましょう。
- 副業の給与収入が20万円を超えたら、確定申告が必要
- 20万円以下でも、住民税の申告が必要な自治体がある
- 所得税と住民税の申告要件は別物
- スポットバイト収入は勤務先が分かれているため、源泉徴収票が複数発行されることがある
- e-Taxを使えば、スマホで簡単に申告可能
副業やスポットバイトをしている方は、年末や年明けに向けて、早めに源泉徴収票の整理と確認を始めておくと安心です。
投稿者プロフィール

-
税理士法人、行政書士法人、社労士事務所などのグループです。
税制は複雑化していく一方で、税理士を必要としない人々の税に関する知識は更新されていない…と感じ、より多くの人が正しい税知識を得て、よりよい生活をしてもらえたらいいなぁと思って開設したサイトです。専門用語には注釈をつけたり、いつも払っているだけの税金のその先も知ってもらえたら嬉しいです。
最新の投稿
雑談2025年7月30日【税についての作文】税金のプロが書きやすい税金ネタを公開!
副業と確定申告2025年7月30日【警告】ネット副業の確定申告しないと5年後に税務調査が来る!?無申告の末路とは
税の仕組み2025年7月29日基礎控除とは?58万円への引き上げは“減税”?【税知らない人向け】
暮らしと税2025年7月28日住民税が6月から急に上がるのはなぜ?そのカラクリと対策を解説