― 首相発信時代のメディア構造の転換 ―
ここ数年、政治の情報発信が大きく変わったと感じる人は多いのではないでしょうか。
かつては、テレビや新聞といった「オールドメディア」を通じて政治家の発言を知るのが一般的でした。ところが最近では、内閣総理大臣自らがSNSで政策や考え方を発信し、行動予定まで公開しています。
いまや国民は、政治家本人の言葉をそのまま読める時代です。
一次情報を「自分で取りに行ける」時代へ
これまでの報道は、どうしても編集方針や番組構成によって「切り取られた情報」になりがちでした。
しかし首相や閣僚が公式アカウントを通じて直接発信するようになったことで、国民は誰でも一次情報を確認できる環境を手に入れました。
SNS上では、発言の全文・動画・コメントが即座に公開され、報道の切り取りや見出しの偏りが浮き彫りになることもあります。
この構造変化によって、オールドメディアの影響力は相対的に低下し、情報の「透明性」が高まったと言えるでしょう。
今や当たり前のように、大臣や総理大臣の会見もオンラインでライブ配信をされるようになったため、オールドメディアによる偏向報道の証拠とも言えるような発言も全国のお茶の間に知れ渡るようになりました。さらに、反対する人も、賛成する人も、その動画を切り取って伝わりやすく加工し、SNSで何度も何度も流れるようになりました。そして、気になる人は、元の動画も見れるようになりました。
政治と国民の距離が縮まる
SNS発信のもう一つの効果は、国民との心理的距離を縮めたことです。
首相や政治家が、公式X(旧Twitter)で政策意図を説明したり、現地視察の様子をリアルタイムで投稿したりする。
コメント欄では国民が直接意見を述べることもでき、双方向のコミュニケーションが生まれています。
こうした流れは、政治に対する関心を高め、特に若い世代の投票率を押し上げる一因になっているとも言われます。
「政治は遠い世界の話」ではなく、「自分たちの言葉が届く世界」に変わり、さらに「政治は私たちの生活の話」にもなりつつあります。
また、芸能人などの有名人も続々と「選挙行ってきました~」という投稿をする人が増えたと感じます。
ひと昔前のテレビでは「選挙行ったことないですぅ~」という芸能人が多かった気がしますが、この数年間で潮目だと感じます。
メディアリテラシーの転換点に立つ私たち
もちろんSNS発信にはリスクもあります。誤情報や煽動的な投稿が拡散しやすく、情報の正確さを見極める力が一人ひとりに求められます。
しかし同時に、私たちはこれまで以上に情報の選択権を持つようになりました。
政治家が「直接語り」、国民が「直接聞く」。
報道機関はその橋渡しから、むしろ検証と解説のプロフェッショナルとしての役割へと変化を迫られています。
情報の正確さを見極めるためには、現在の法律や運用ルールなどについても深く知る必要があります。
弊社は税理士事務所なので、税制については専門家ではありますが、税制を知らずに発言している人が多いとも感じております。税制はややこしいので、我々わかる税編集部もできるだけわかりやすく、お伝えできるように尽力いたします。
また、政治家側も時代の変化を理解し、きちんと本来のお仕事として、国民の生活がよくなるための政策を打ち出していくことをやってほしいと思うし、国民はそれを見ておく必要があると思います。
終わりに ―「見る人が選ぶ政治」へ
SNSによって、政治は確実に“見える”存在になりました。
かつては編集のフィルターを通して見ていた世界が、いまは本人の言葉で届く。
それに対して国民がどう反応するか――。その積み重ねが、これからの民主主義の形をつくっていくのだと思います。
政治を「誰かが伝えるもの」から、「自分が見に行くもの」へ。
そんな意識の変化こそが、投票率の上昇という形で少しずつ表れているのかもしれません。
投稿者プロフィール

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税理士法人、行政書士法人、社労士事務所などのグループです。
税制は複雑化していく一方で、税理士を必要としない人々の税に関する知識は更新されていない…と感じ、より多くの人が正しい税知識を得て、よりよい生活をしてもらえたらいいなぁと思って開設したサイトです。専門用語には注釈をつけたり、いつも払っているだけの税金のその先も知ってもらえたら嬉しいです。
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