
いつかは個人事業主として働いてみたい!

でも、会社員を辞めて本当に大丈夫?
そんな不安を感じていませんか?
私自身も働き方を見直したとき、収入や税金・社会保険の違いがよく分からず、悩んだ経験があります。
今回は、会社員と個人事業主の両方を経験した視点から、それぞれの違いや自分に合う働き方を考えるポイントを分かりやすくお届け!
個人事業主と会社員の違い
個人事業主と会社員の大きな違いは、仕事をするうえでの「立場」です。
具体的には、個人事業主は自分で事業を運営する立場、会社員は企業と雇用契約を結び、組織の一員として働く立場ということ。この違いから、収入の受け取り方や仕事内容、税金・社会保険の手続き、仕事に対する責任などにも差が生まれます。
まずは、それぞれの特徴を確認していきましょう!
個人事業主とは?働き方の特徴
個人事業主とは、法人を設立せず個人で事業を行う人のこと。事業については会社との雇用関係ではなく、自分で仕事を獲得して売上を得ます。
なお、勤務先の就業規則などに反しない範囲で、副業として個人の事業を行うことも可能です。
個人事業主には、本来の業務以外にも次のような仕事があります。
- 顧客や案件を獲得する
- 契約内容や納期を確認する
- 請求書を発行して入金を確認する
- 売上や経費を記録する
- 必要に応じて税金を申告・納付する
つまり、個人事業主は本来のやりたい業務だけでなく、営業・経理・事務も含めて事業全体を管理する働き方です。
会社員とは?働き方の特徴
会社員とは、企業と雇用契約を結び会社の指示や就業規則に沿って働く人のこと。労働の対価として給与を受け取り、勤務時間や休日、担当業務などは雇用契約や会社の規定に基づいて決まります。
会社員には、一般的に次のような特徴があります。
- 雇用契約に基づいて給与を受け取る
- 会社から担当業務や役割を与えられる
- 就業時間や休日は会社の規定に従う
- 税金や社会保険の手続きを会社が担う部分が多い
- 組織内で仕事や責任を分担する
働き方にはどんな違いがある?
働き方を比べると、個人事業主は自分で決められる範囲が広く、会社員は会社が整えた環境の中で働ける点が大きな違い!
ただし、自由と責任はセットです。具体的に見ていきましょう。
時間と場所の自由度
個人事業主は、働く時間や場所を自分で調整しやすい働き方です。仕事内容によっては、自宅やコワーキングスペースなど、好きな場所で作業できることが魅力ですよね!
会社員は始業・終業時刻や出社日など、会社の規定に従うのが基本。ただし、実際の自由度は勤務先によって異なります。
また、私も経験がありますが、個人事業主でも完全に自由とは限りません…。取引先との打ち合わせや納期があり、相手の営業時間に合わせる場面もたくさんありました。
「好きなときだけ働ける」というより、「自分で予定を組み、期限までに責任を持って仕上げる」と考えるほうが実態に近いかもしれません。
仕事内容の選び方と責任の範囲
個人事業主は案件や取引先を自分で選びやすく、得意分野に集中したり、新しい仕事に挑戦したりできます。一方で、希望する仕事が自然に集まるとは限らないため、実績の発信や提案、人脈づくりなどの営業活動も必要ですよね。
さらに、本来の業務だけでなく、契約・請求・経理・トラブル対応まで自分で行うのが基本。体調を崩したときや問題が起きたときも、代わりに対応してくれる人がいるとは限りません。
会社員は、会社から与えられた役割を担うため、希望と異なる業務を担当する場合があります。ただし、部署ごとに役割が分かれており、困ったときは上司や同僚に相談できる点がメリット!
つまり、両者の違いは責任の有無ではなく、「一人で担う範囲」と「組織で分担できる範囲」にあります。
休日の考え方
会社員は勤務日と休日が決まっていることが多く、一定の要件を満たせば年次有給休暇も付与されます。
個人事業主は自分で休みを決められますが、休業中の売上が発生しないことが多いのではないでしょうか。自由だからこそ働きすぎたり、休んでいても連絡や売上が気になったりすることも。
収入にはどんな違いがある?
収入面の大きな違いは、会社員が「給与」を受け取るのに対し、個人事業主は事業から「売上」を得ることです。
実際にいくら残るのかまで比べましょう。
給与と売上の違い
会社員は、雇用契約に基づく給与から所得税や住民税、社会保険料などが差し引かれ、手取り額を受け取るのが一般的です。
一方、個人事業主の口座に振り込まれる売上は、そのまま自由に使えるお金ではありません。売上から仕事に必要な経費を差し引いたものが所得の基本となり、さらに税金や社会保険料、将来への備えも考える必要があります。
個人事業主が売上から確保したいお金
- パソコンや通信費などの必要経費
- 所得税や住民税などの税金
- 健康保険料や年金保険料
- 収入が減ったときの予備資金
- 設備投資やスキルアップの費用
収入の安定性
会社員は、雇用が継続している限り、毎月決まった給与を受け取りやすい働き方ですよね。賞与や昇給は業績・評価などに左右されますが、毎月の生活費を見通しやすい点は本当にメリットです!
個人事業主は、案件数や単価、契約状況によって売上が変動します。継続案件が終了したり、請求から入金まで時間がかかったりすることもあるため、今月だけでなく数か月先まで考える必要も。
一方、収入の上限が勤務先の給与体系に左右されにくい点は個人事業主の最大の魅力です。
収入の増やし方
会社員が収入を増やす方法は、昇給・昇進・賞与の増加や、手当が付く業務への挑戦などが中心。評価制度に沿って成果を積み重ねる必要があります。
個人事業主は、次のような方法を自分で選べます。
- 案件数を増やす
- 専門性を高めて単価を上げる
- 継続契約を獲得する
- 複数の取引先を持つ
- 新しい収入源を作る
ただし、案件数だけを増やすと労働時間も増え、体力的に続かなくなる可能性も。売上だけでなく、作業時間や経費を含めた「実質的な収益」を確認することが大切です。
お金の管理方法
個人事業主は、月単位だけでなく年間で収支を把握する必要があります。
次の4つを習慣にして管理しやすくすることも大事です。
- 仕事用と生活用の口座を分ける
- 入金されたら税金・保険料の分を確保する
- 領収書や請求書を定期的に整理する
- 売上だけでなく、経費を引いた所得や手元に残る額を見る
仕事用のお金を分け毎月確認するだけでも、生活費と事業に残すお金を判断しやすくなります。
税金や社会保険の違い
税金や社会保険は難しく見えますが、ポイントは「誰が手続きをするか」と「どの制度に加入するか」です。
税金の手続き
会社員は勤務先が給与から所得税を源泉徴収し、大部分の人は年末調整で精算が完了します。個人事業主は売上や必要経費を帳簿に記録し、自分の所得や状況に応じて確定申告・納税を行わなければいけません。
会社員でも、副業など給与以外の所得や給与の受け取り方によっては、確定申告が必要になることも!副業を始める場合は「会社員だから申告は不要」と決めつけず、条件を確認しましょう。
社会保険と保障
会社員は、勤務先や労働時間などの加入要件を満たすと、健康保険や厚生年金保険に加入します。保険料は給与から控除され、事業主と本人が負担する仕組みです。
ほかの医療保険に加入していない個人事業主は、原則として国民健康保険などに加入し、年金は国民年金の第1号被保険者として自分で手続き・納付する必要があるので注意!
厚生労働省「国民健康保険制度」・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
経費と控除の違い
個人事業主は、売上を得るために直接かかった費用や業務上必要な費用を、必要経費として所得の計算に含められます。
ただし、生活費を何でも経費にできるわけではありません。自宅の通信費や光熱費など、仕事と生活の両方で使う支出は、利用時間や面積など合理的な基準で事業分を区分します。
会社員は、実際の支出を一件ずつ経費にするのではなく、原則として収入額に応じた給与所得控除によって給与所得を計算します。
「経費にできる=無料」ではありません。実際の支払いは自分のお金なので、事業に必要かを基準に判断しましょう。
メリット・デメリットを比較
ここまでの内容を、メリットとデメリットに分けて整理します。
| 働き方 | 主なメリット | 主なデメリット |
| 個人事業主 | 時間・場所・仕事内容を調整しやすい/成果を収入につなげやすい/複数の収入源を作れる | 収入が変動する/営業・経理・税務も担う/休業が売上に影響しやすい |
| 会社員 | 収入を見通しやすい/社会保険や福利厚生を利用しやすい/組織で仕事を分担できる | 時間・場所・仕事内容に制約がある/成果がすぐ給与に反映されるとは限らない |
個人事業主の自由は自己管理と、会社員の安定は会社のルールに沿うこととセットです。メリットだけでなく、デメリットも確認しましょう。
両方を経験して感じた違い
ここからは、会社員と個人事業主の両方を経験した私が感じた違いを紹介します。
固定給の安心感に気づいた
会社員時代では、決まった日に給与が振り込まれることを当たり前に感じていました。しかし個人事業主になると、案件数や納品時期、取引先の支払日により入金額と入金日が変わります。
数か月先の契約まで考えるようになり、固定給の安心感は離れてみて初めて気づいた会社員のメリットでした。
売上と手取りは違った
売上が増えるとうれしいものの、その全額を生活費には使えません。経費や税金、保険料の支払いに備えておく必要があります。
個人事業の時には、「経費を引いたあとにいくら残るか」「納税資金を確保できているか」を意識しなければなりません。お金の管理も仕事の一部!
自由には管理が必要だった
個人事業では、働く場所を調整したり、仕事や取引先を選んだりしやすくなりました。その一方で仕事量や休日を決めるのも自分です。
やりたい仕事でも、時間がかかりすぎれば収益性は下がります。作業時間を記録し、実質的な時給や負担を確認するようになったことで、引き受ける仕事を冷静に判断しやすくなりました。
事業運営の業務も増えた
個人事業主になると、収入につながる主な業務以外にも、事業を運営するための仕事が発生します。
事業を運営するための仕事
- 案件探しと提案
- クライアントとの連絡
- 契約内容の確認
- 請求書の発行と入金確認
- 経費の記録
- 確定申告の準備
「やりたいことを自由にできるわけではなかった」というのが正直な感想ですね。
副業という第3の選択肢
会社員か個人事業主か迷う場合は、3つ目の働き方として「副業から始める」という方法もあります。会社員として給与を得ながら、勤務時間外に個人で仕事を受ける形です。
副業なら収入の土台を残しながら、案件の獲得や納期管理、請求・経理などを実際に経験できます。将来独立したい人にとっては、個人で働くことが自分に合うかを確かめる準備期間にもなるでしょう。
ただし、時間管理や勤務先の就業規則の確認は必要です。会社員か個人事業主かを急いで決めず、まずは小さく試す方法も検討を!
自分に合う働き方の選び方
自分に合う働き方は、性格だけでなく家計・家族・健康状態・目指すキャリアによっても変わります。次の特徴を目安に考えてみましょう。
安定を重視したい人
会社員が向きやすいのは、次のような人です。
- 毎月の安定収入を重視したい
- 社会保険や福利厚生を重視したい
- 仕事と休日を分けたい
- 組織の中で協力して仕事を進めたい
- 営業や経理の負担を減らしたい
固定的な支出が大きい時期は、収入の見通しやすさが安心につながります。
自由を重視したい人
個人事業主が向きやすいのは、次のような人です。
- 働く時間や場所を調整したい
- 自分で仕事内容を選びたい
- 収入や仕事量を管理できる
- 営業や経理にも取り組める
- 収入の変動に備えられる
専門性を生かし、自分の判断で事業を育てたい人に魅力的な働き方です。
副業から始めたい人
副業という働き方が向きやすいのは、次のような人です。
- 会社員の収入を維持しながら挑戦したい
- 副業で経験や実績を積みたい
- いきなり独立するのが不安
- 将来的に働き方を変えたい
- 複数の収入源を持ちたい
小さく始めれば、案件獲得や収支管理が自分に合うかを確かめられます。勤務先の副業規定などは事前に確認!
まとめ
個人事業主と会社員では、収入の得方や働く時間、税金・社会保険の手続き、責任の範囲などが異なります。大切なのは、どちらが優れているかではなく、自分の生活や希望に合っているかどうかです。
働き方に迷ったら、次の項目を確認してみましょう。
- 収入減少への備え
- 仕事を獲得できるか
- 税金や社会保険を管理できるか
- 仕事と生活を分けられるか
- 働き方を変えたい理由
- 自由と安定のどちらを重視するか
すべてに答えられなくても大丈夫。まずは一番気になる項目を選び、「生活費を計算する」「副業規定を確認する」など、今週できる行動を一つ予定に加えてみてください。
その小さな一歩が、自分に合った働き方を見つけるきっかけになります。
税金や手続きに不安がある方は、当事務所の「確定申告・期限後申告サービス」についてをご覧ください。
投稿者プロフィール

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税理士法人、行政書士法人、社労士法人などの士業グループです。
税制は複雑化していく一方で、税理士を必要としない人々の税に関する知識は更新されていない…と感じ、より多くの人が正しい税知識を得て、よりよい生活をしてもらえたらいいなぁと思って開設したサイトです。いつも払っているだけの税金のその先も興味関心を持ち、知ってもらえたら嬉しいです。
税理士法人YFPクレア(東京税理士会 四谷支部 2029)
YFPクレア行政書士法人(埼玉県行政書士会所属 2402701)
YFPクレア社会保険労務士法人(埼玉県社会保険労務士会 浦和支部)
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