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突然の病気やケガで、思いがけず高額な医療費がかかってしまった…。

治療や入院だけでも大変なのに、慣れない高額療養費の手続きや確定申告まで重なると、何から始めればいいのか戸惑ってしまいますよね。

「高額療養費がまだ振り込まれていないけど、確定申告しても大丈夫?」
「医療費控除も受けられるの?」

そんな疑問を抱えている方も、ご安心ください。

実は、高額療養費がまだ振り込まれていなくても、医療費控除の確定申告はできるんです!

この記事では、高額療養費と確定申告の関係や、払い戻しを待っている場合の対処法、間違えやすいポイントをわかりやすく解説します。

体調や生活を整えることを第一に、できることから一つずつ進めていきましょう。

3秒でわかる結論!

高額療養費がまだ振り込まれていなくても、医療費控除の確定申告はできる!

戻ってくる予定の金額を見積もって、支払った医療費から差し引けばOK。

あとから実際の払い戻し額が違うとわかった場合は、申告内容を訂正しましょう♪(ザックリ10~20分程度で修正できます)

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高額療養費を受け取ったら確定申告は必要?

結論からいうと、高額療養費を受け取っただけなら、基本的に確定申告は必要ありません。

高額療養費は、医療費の自己負担が一定の上限を超えたときに、その超えた分が戻ってくる(もしくは窓口にて負担が軽くなる)制度です。
払いすぎただけなので、そこに税金はかかりません。

ですが、確定申告には「医療費控除」があります。
医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得税などの負担を軽くできる制度です。
高額療養費制度を使うほどの病気やケガなら、医療費控除が使える可能性あります。

そして・・・実は、高額療養費と医療費控除は両方利用できます!

ただし、ここで一つ注意点があります。

医療費控除を計算するときは、高額療養費として戻ってきた金額を、対象となる医療費から差し引く必要があります。

つまり、実際に自分で負担した医療費をもとに計算するということです。

また、高額療養費の払い戻しがまだの場合も、戻ってくる予定の金額を見積もって計算できます。

具体的な計算方法は、次の章で見ていきましょう!

高額療養費と医療費控除は両方使える?計算例で解説!

医療費控除は実際にかかった医療費から保険や高額療養費で戻ってきたお金などを引いた上、10万円をひいた額が所得から減らすことができます。

医療費35万円、高額療養費15万円の場合

例えば、1年間に35万円の医療費を支払い、高額療養費として15万円が戻ってきたとします。

項目金額
① 1年間に支払った医療費350,000円
② 高額療養費で戻ってきた金額−150,000円
③ 実際に負担した医療費(①−②)200,000円
④ 医療費控除の基準額−100,000円
医療費控除額(③−④)100,000円

※総所得金額等が200万円以上で、ほかに医療費や保険金などがない場合の例です。
もし他に医療保険や生命保険などに加入していて、保険金を受け取っている場合はその額も引きましょう。

この場合、医療費控除の対象となる金額は10万円です!
ただし、10万円がそのまま税金として戻ってくるわけではありません。

医療費控除は、税金を計算するもとになる所得を減らす制度(所得控除の一つです。下の図1を参照)。
実際に戻ってくる税金は、所得や納めている税金(税率)によって異なります。

なお、総所得金額等が200万円未満の方は、10万円ではなく「総所得金額等の5%」を差し引いて計算します。

図1 所得税の計算方法

高額療養費がまだ振り込まれていない場合はどうする?

「確定申告の時期なのに、高額療養費がまだ振り込まれていない!」
そんなとき、「払い戻しが終わるまで確定申告できないの?」と不安になりますよね。
でも、大丈夫です!

高額療養費がまだ振り込まれていなくても、医療費控除の確定申告はできます。

ただし、払い戻し予定の金額がわかっているかどうかで、確認することが少し変わります。

① 払い戻し前でも、予定の金額で確定申告できる!

高額療養費の払い戻し額がまだ決まっていない場合は、戻ってくる予定の金額(見込額)を使って、医療費控除を計算できます。

例えば、次のようなケースです。

項目金額
1年間に支払った医療費350,000円
高額療養費の払い戻し予定額−150,000円
差し引き後の医療費200,000円
医療費控除の基準額−100,000円
医療費控除額100,000円

※総所得金額等が200万円以上で、ほかに医療費や保険金などがない場合の例です。

この場合は、まだ15万円が振り込まれていなくても、見込額を差し引いて確定申告できます。

払い戻し予定額がわからない場合は、加入している健康保険に、見込額を確認できるか問い合わせてみましょう。

ただし、医療費の情報がまだ届いていないなどの理由で、金額を教えてもらえない場合もあります。

その場合も、年齢や所得、支払った医療費などをもとに、制度の計算方法に沿って見込額を計算する方法があります。

見込額の計算に迷ったときは、加入している健康保険や税務署に相談してみましょう。

② あとから払い戻し額が違ったらどうする?

「予定では15万円だったのに、実際に振り込まれた金額が違った!」

そんなこともあるかもしれません。

この場合は、実際の払い戻し額に合わせて、確定申告の内容を確認しましょう。

税金の計算が変わる場合は、次の手続きが必要になります。

実際の払い戻し額必要な手続き
予定より多く、納める税金が増える修正申告
予定より少なく、税金を多く納めていた更正の請求

※申告期限後の場合です。申告期限前なら、正しい内容で申告書を出し直すことができます。

「修正申告」や「更正の請求」と聞くと、難しそうに感じるかもしれませんね。

簡単にいうと、修正申告は税金を少なく申告していた場合の訂正、更正の請求は税金を多く申告していた場合の訂正です。

払い戻し額が確定したら、最初に申告した見込額と比べてみましょう。

もう一度やるの面倒だなぁ

そのお気持ちはよくわかる…
ですが、意外にも確定申告不慣れな人でも15分前後で終わったので思ってるより簡単かも!?

③ 確定申告の前に準備しておきたいもの

慣れない手続きを少しでもスムーズに進めるために、次のものを確認しておくと安心です。

  1. 病院や薬局の領収書:実際に支払った医療費を確認するため
  2. 高額療養費の支給決定通知書など:払い戻し額が決まっている場合に確認するため
  3. 払い戻し予定額がわかる資料やメモ:まだ支給額が決まっていない場合に備えるため

e-taxを利用してオンラインで確定申告する場合は、1~3をまとめて、国税庁 確定申告書等作成コーナーの「医療費集計フォーム」に入力しておくととてもスムーズです。(e-taxを進めていくと自動的に「医療費控除の明細書」を作ってくれます)

e-taxを利用しない場合、「医療費控除の明細書」を作成します。

なお、領収書は原則5年間の保存が必要なので、申告が終わっても捨てずに保管しておきましょう。

病気やケガの治療をしながら、慣れない手続きを進めるのは大変なことです。
まずは手元にある書類を確認するところから。無理のないペースで、一つずつ進めていきましょう!

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高額療養費の確定申告で間違えやすい3つのポイント

高額療養費と医療費控除の関係がわかったところで、もう少しだけ注意点を確認しておきましょう!
知らずに計算してしまうと、医療費控除の金額を間違えてしまうことも。

特に気をつけたい3つのポイントをご紹介します。

① 高額療養費が翌年に振り込まれても、医療費を支払った年で計算する

例えば、2026年12月に入院して医療費を支払い、高額療養費が2027年3月に振り込まれたとします。

この場合、医療費控除は2026年分の確定申告で計算します。

高額療養費が振り込まれた年ではなく、医療費を実際に支払った年が基準です。

年をまたぐと混乱しやすいので、領収書の日付を確認しておきましょう!

(税や会計の世界では「発生したタイミング」が計上するタイミングです)

② 生命保険から受け取った給付金も忘れずに!

高額療養費のほかに、民間の医療保険や生命保険から入院給付金などを受け取ることもありますよね。

実は、こうした給付金も医療費控除の計算に関係します。

入院給付金など、医療費を補うために受け取ったお金は、対象となる医療費から差し引く必要があります。

高額療養費だけを差し引いて、生命保険の給付金を忘れてしまわないように注意しましょう。

③ 戻ってきたお金を、ほかの医療費から引きすぎない!

ここは少し間違えやすいポイントです。

高額療養費や保険金などは、何でもまとめて医療費全体から差し引けばよいわけではありません。

戻ってきたお金は、その給付の対象となった医療費からだけ差し引きます。

例えば、次のようなケースです。

項目金額
入院費100,000円
入院に対する保険金150,000円
別の日の歯科治療費50,000円

この場合、入院費10万円に対して保険金15万円を受け取っているので、入院費の自己負担分は医療費控除の計算上0円になります。
では、余った5万円を歯科治療費からも差し引くのでしょうか?

答えはNO!

余った5万円を、別の歯科治療費から差し引く必要はありません。
つまり、歯科治療費の5万円は、そのまま医療費控除の計算に含められます。

※実際に医療費控除を受けられるかどうかは、年間の医療費の合計や所得などによって決まります。

少しややこしく感じるかもしれませんが、「戻ってきたお金は、対象となった医療費から引く」と覚えておきましょう!

高額療養費と確定申告のよくある質問

最後に、高額療養費と確定申告について、よくある疑問にお答えします!

高額療養費を受け取ったら税金はかかる?

いいえ、高額療養費として受け取ったお金に税金はかかりません。

高額療養費は、医療費の負担を軽くするために支給されるお金で、非課税です。

そのため、高額療養費を受け取ったことを理由に、所得税の確定申告をする必要はありません。

ただし、医療費控除を受ける場合は、支払った医療費から高額療養費として補填された金額を差し引いて計算しましょう。

医療費控除の期限は3月15日までですか?

いいえ!還付の申告で、源泉徴収をされているサラリーマンなどは翌年1月1日から5年以内ならば医療費控除を受けることができます。

ただし、還付の場合であっても、事業者で青色申告特別控除を受けている場合、確定申告期限の3月15日までに確定申告を終わらせる必要がありますのでご注意を!(参照 国税庁 還付申告)

まとめ|高額療養費の振り込みを待たずに確定申告できる!

高額療養費と確定申告、慣れない手続きが重なると、難しく感じてしまいますよね。

でも、押さえておきたいポイントは次の3つです。

  • 高額療養費と医療費控除は両方利用できる!
  • 高額療養費がまだ振り込まれていなくても、見込額で確定申告できる!
  • 実際の払い戻し額が違った場合は、必要に応じて申告内容を訂正する!

なお、医療費控除のための還付申告なら、原則として翌年1月1日から5年間手続きできます。必ずしも3月15日までに申告する必要はありません。

病気やケガの治療に加えて、慣れないお金の手続きまで進めるのは大変なこと。
焦らず、まずは医療費の領収書や高額療養費の通知書を確認するところから始めてみましょう。

少しずつでも大丈夫。ご自身の体調を大切にしながら、無理のないペースで進めてくださいね。

投稿者プロフィール

YFPクレアグループ
YFPクレアグループ
税理士法人、行政書士法人、社労士法人などの士業グループです。
税制は複雑化していく一方で、税理士を必要としない人々の税に関する知識は更新されていない…と感じ、より多くの人が正しい税知識を得て、よりよい生活をしてもらえたらいいなぁと思って開設したサイトです。いつも払っているだけの税金のその先も興味関心を持ち、知ってもらえたら嬉しいです。

税理士法人YFPクレア(東京税理士会 四谷支部 2029)
YFPクレア行政書士法人(埼玉県行政書士会所属 2402701)
YFPクレア社会保険労務士法人(埼玉県社会保険労務士会 浦和支部)

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免責事項

本コラムは、税金に関する一般的な情報提供を目的としており、個別具体的な状況に対する助言(税務申告・節税判断・手続きの代行等)を行うものではありません。
税制や運用は改正・変更されることがあり、本コラムの内容は執筆時点の情報に基づいています。可能な限り正確な情報を掲載するよう努めていますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。

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実際の申告や手続き、具体的な判断が必要な場合は、国税庁・自治体等の公的情報をご確認のうえ、税理士などの専門家へご相談ください。

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