1. はじめに:NISAって聞いたことある?
最近、「NISAって始めたほうがいいよ~」って言われたことありませんか?
職場の同僚、テレビCM、はたまた実家の母まで「NISA、NISA」と言い出す始末。
まるで流行りのスイーツか健康法のように語られがちですが、実はこれ、“税金がお得になる制度”なんです。
しかもそのお得度合い、税理士がざわつくレベル。
なにせ投資で得た利益に税金がかからないんですから。
え?投資ってこわくない?
「よく分からない横文字が並ぶし、なんか損しそう…」って?
わかります。
筆者もかつて「NISAって結局なんなの?」と思っていた時期がありました。
でも安心してください。
このコラムでは、できるだけ専門用語は使わずに、税金と投資の「なんで?どうして?」をやさしく解説していきます。
さぁ、“こわくない投資”の世界へ、一歩踏み出してみましょう!
2. NISAとは?ざっくり一言で言うと「投資の税金がゼロになる制度」
NISAをひとことで言い表すとしたら、こうです。

投資して儲けても、税金かからないって最高かよ制度
…うさんくさいですよね?わかります。でもこれ、本当にそうなんです。
ふつう、株や投資信託などで利益が出たら、そこには20.315%の税金がかかります。
1万円儲けたら、2,031円ほど持っていかれるわけです。
国税さんと県・市税さんがニッコリ微笑みながら徴収していきます。
でもNISA口座を使って投資をすれば、この税金が なんとゼロ円!
利益がまるっと自分のものになるという、夢のような口座なんです。
どうしてそんな夢みたいな制度があるの?
一言でいえば、国が「もっと投資してほしい!」と本気になった結果です。
と、いうのも、老後のお金といえば年金ですが、多くの人はこのまま貰えるとは到底思えない」と感じているのではないでしょうか?
だから、真面目に働きつつ、お金も貯めないと…
日本は昔から「貯金は美徳」みたいな文化が強く、タンス預金も大好き。
でも超低金利時代のいま、銀行に預けてもほとんど増えません。
それどころか貯蓄に回したところでインフレ率を超える金利を貯蓄ではできない…
つまり、1万円を預けたところで、5年後10年後にどうなっているか…というと、
預けた年に1万円で購入できたものが、10年後には貯蓄の利子も含めたところで買えない!!価値として目減りしちゃった!という現象が起こります。
一方で、日本の経済を元気にするには、「企業にお金が回る=投資が活発になる」ことが大事。
だから政府はこう考えました。

よっしゃ、税金タダにしてでも投資してもらおう!
…というわけで2014年に誕生したのがこのNISA制度なんですね。
ちなみにNISAという名前は「Nippon Individual Savings Account」の略。イギリスのISAが元ネタです。
3. NISAでかからない税金の正体とは?(特定口座との違いも)
投資で利益が出ると、ふつうは「売却益(キャピタルゲイン)」「配当金(インカムゲイン)」に20.315%の税金がかかります。
内訳は、所得税15.315%、住民税5%です。
特定口座(源泉徴収あり)を使っていると、自動的に税金が差し引かれ、手取りが減ります。
投資方法 | 売却益が出た場合 | 配当金・分配金が出た場合 | 税金 |
---|---|---|---|
特定口座 | 20.315%の税金がかかる | 20.315%の税金がかかる | 先に引かれて振り込まれる |
NISA口座 | 非課税! | 非課税! | 0円! |
たとえば…
- 株を売って10万円の利益 → 税金 約20,315円 → 手元には約79,685円
でもNISAなら…
- 株を売って10万円の利益 → 税金ゼロ → 手元に10万円まるごと!
2万円ちょっと。これは大きな差ですね。
利益が大きくなるほど差はどんどん広がる!
利益が数万円なら「ふーん」という感じかもしれませんが、
これが10年で数十万円・数百万円の利益になると話は別。
税金として引かれるはずだった金額も大きくなり、
「NISA使ってて良かった〜!」となる未来がやってくるかもしれません。
ちなみにNISAで非課税になるのは、売却益と配当金の2つ。
通常なら課税されるこの2つの収益が、NISA口座を使うことで“まるっと非課税”になります。
4. 新NISAのしくみを図解でカンタン解説!
新NISAは【つみたて投資枠 年間120万円まで】+【成長投資枠 年間240万円】=合計で年間360万円まで非課税!
🔹つみたて投資枠とは?
- 金額:年間120万円まで
- 対象商品:金融庁お墨付きの手数料が低くて堅実な投資信託
- 投資スタイル:毎月コツコツ積み立て(定期預金感覚)

ギャンブルみたいなことはしたくないなぁ!という方や
忙しくてしょっちゅうNISAに構ってられない!
という方にオススメ
🔹成長投資枠とは?
- 金額:年間240万円まで
- 対象商品:個別株、ETF、リスクはあるけど夢もある商品
- 投資スタイル:自由に買ったり売ったり(スポット投資OK)

この企業、これから伸びそう!とか
この企業の株を100株持ってると素敵な株主優待貰えるから100株買っちゃおう!
みたいなときに使えます。
🔸非課税になる「トータルの限度額」も変わりました
新NISAでは、生涯で非課税になる投資額の上限が決まっています。
枠の種類 | 年間の上限額 | 非課税保有限度額(生涯合計) |
---|---|---|
つみたて投資枠 | 120万円 | 最大1,800万円まで |
成長投資枠 | 240万円 | ↑と合わせて合計1,800万円 |
つまり、生涯で最大1,800万円までの投資が非課税でできるわけです。
しかも、売ったらその分「枠が復活」するので、もうそろそろ売り時だなぁと思ったら手放して、新しい投資をしてみる!などもできます。
🔺こんな人に向いてる使い方は
タイプ | おすすめスタイル |
---|---|
投資初心者 | つみたて投資枠だけを使って、コツコツ積立 |
中長期的に資産形成をしたい | 両方の枠を活用して、安定×成長のハイブリッド戦略 |
株式投資が好き | 成長投資枠をフル活用して自分好みのポートフォリオを |
つみたて投資枠は初心者向けで、自動積立でほったらかしOK。
成長投資枠は個別株などを自由に売買できる“ちょっと攻め”の枠です。
5. NISAのメリット:非課税以外にもいいことある?
メリット①:利益が増えやすい=“複利の力”が最大限に生きる!
突然ですが、ここで問題です。
クイズ!!
Aさん:利益から税金が引かれながら20年間投資
Bさん:NISAを使って税金ゼロで20年間投資
どちらがどのくらい最終的にお金が多くなるでしょう?
──はい、当然Bさんですね。
では、どのくらいの差ができるか…実はこの差、意外と“ちりつも”では済まない大きさなんです。
📌例:毎年40万円を年5%で20年運用した場合
内容 | 最終的な手取り額 |
---|---|
課税あり | 約1,234,000円の税金 → 約1,968,000円の利益 |
NISA(非課税) | 税金ゼロ → 約2,468,000円の利益 |
※運用益:約250万円のうち、課税されると50万円ほど引かれる!
NISAを使うだけで合法的に得できる、それが“複利×非課税”の魔法なんです。
メリット②:運用益だけじゃない!配当金も非課税!
株式投資をしていると、配当金や分配金がもらえることがあります。
これは“利益のおすそわけ”みたいなもので、ちょっとしたボーナス感があって嬉しいやつです。
それも同様に20.315%の税金がかかりません!
メリット③:確定申告が不要!
「投資って、確定申告とかめんどくさそう…」
そんなイメージ、ありませんか?
✅ 利益が出ても申告不要!
✅ 配当金・売却益、すべて自動で非課税処理!
つまり、「税金がかからないうえに、申告の手間すらない」という最強コンボです。
メリット④:始めるハードルが低い
つみたて投資枠は、月1,000円からでもOK。
iDeCoのように掛金変更が年1回…みたいな縛りもなく、気軽に始めて、気軽にやめられます。
しかも、対象となる商品は金融庁が選んだ“優良ファンド”のみ。
変な手数料ボッタクリ商品に引っかかる心配も少ないので、初心者にも安心です。
まとめ:非課税は「入り口」、本当のメリットは「続けられる仕組み」
NISAはただの節税制度ではありません。
「お金が増えやすい」「税金も手間もかからない」「安心して続けられる」──
これらがセットで手に入るお得制度なんです。
つまり、「儲かったら得、儲からなくても安心」な設計がされているのがNISAなんです。
6. NISAの注意点:使い方を間違えると損するかも?
そんなNISAですが、これだけは注意しておきましょう!というポイントがあります。
・損益通算ができない(損しても税金面の救済なし)
・非課税枠の未使用分は翌年に持ち越せない。使い切らなくても、翌年にはリセットされて、つみたて投資枠120万、成長投資枠240万、合計360万で、生涯合計1800万円になるまでできます。
・NISA対象外の商品を買うと課税される
・金融機関の変更は年単位。複数口座不可。1回でも取引があるとその年は変更不可。
NISAは確かにお得だけど、使い方を誤ると「思ってたのと違う…」となる可能性も。
制度のルールを知ったうえで戦略的に使うのが大切です。
7. NISAはどんな人に向いている?
- 学生・若者 → つみたて投資で“じぶん年金”づくり
- 主婦・パート → 少額運用で手取りを最大化
- 子育て世代 → 教育費や老後のW対策に
- シニア層 → 配当生活に使えば税金ゼロの“年金強化”
どんな世代でも、それぞれの目的に応じた使い方ができるのがNISAの強みです。
また、少額でも出来るので、誰でも出来る!ぜひお試し下さい!
筆者のNISAでオトク体験談
私は仕事でイラっとする度に、ストレス発散で1万円とか5000円とかをちょこちょこ投資をしていたら、10年間で5万円が15万円になっていました。
イラッとする度に、NISAの状況を見て
「むむ!先月の1万円がちょっと増えてる!」とか
「ちょっと減っちゃったからこのままキープ(必殺!見なかったことに!!)」とか・・・。
そんなことやってたんですよ。
過去の自分を褒めてあげたいですよね。でも、これ、仮に50万円してたら150万円か…海外旅行も行けたやないか!!
と、結果が見えてから投資…いや、NISAの威力に気づきました。
日本は少子化で、消費もそこまで元気ではありません。
ですが、全世界に目を向けると、子どもは増えていて、それだけで消費が多くて企業は元気。
ということが分かりました。
世界のニュースも興味深くなりました。
結果、投資というのはギャンブルでもなく、人の生活そのものなんだなぁと今は感じています。
NISAはお財布にもいいのですが、世界情勢や技術などにも興味を持つきっかけになったので色んな意味でNISAは楽しいものです。
8. まとめ:NISAは“こわくない投資”の入り口!
投資と聞くと──
「なんか損しそう」「ギャンブルっぽい」「お金持ちがやるもの」
そんなイメージがあるかもしれません。
でも、NISAは違います。
これは、“投資の常識”をくつがえす、国が用意した超お得な制度なんです。
🔸NISAの最大の特徴は「税金がかからない」こと
- 売却益も
- 配当金も
- 全部まるっと非課税!
普通の投資なら20.315%取られるところ、NISAならその分ぜんぶあなたのものです。
🔸だけど、NISAは「万能」じゃない
- 損益通算ができない
- 非課税枠は翌年に持ち越せない
- 対象外の商品を買うと課税される
──という注意点もありましたね。
でも、ルールを知って、きちんと使えば圧倒的に有利なのがNISAです。
🔸NISAは、どんな人にも「それぞれの使い方」がある
- 学生や新社会人は「つみたて」で未来の資産づくり
- 主婦・パートさんは「少額投資で無理なく増やす」
- 子育て世代は「教育費と老後のダブル対策」
- シニア層は「資産を守って税金ゼロの配当生活」
つまり、NISAは“今のあなた”に寄り添ってくれる投資の入り口なんです。
📝「始めること」が最大のハードル。でも、それさえ超えれば…
口座開設はネットから10分で申し込み可能。
毎月の積立設定も、まるで「サブスク」に申し込む感覚です。
🚀やってみたら意外とカンタン。
💰気づけば資産が増えてた。
📈将来の安心感が変わった。
そんな声がたくさんあるのも、NISAの魅力です。
これから始める方へのワンポイントアドバイス
- 最初はつみたて投資枠だけでもOK
- 商品は金融庁の厳選ファンドから選べば安心
- よくわからなければ、「S&P500」とか「全世界株式」あたりが無難
投稿者プロフィール

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税理士事務所にてサイトを作って約10年。
税制は複雑化していく一方で、税理士を必要としない人々の税に関する知識は更新されていない…と感じ、より多くの人が正しい税知識を得て、よりよい生活をしてもらえたらいいなぁと思って開設したサイトです。
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