今や夫婦共働きも増え、自宅を購入するときも、夫婦の貯蓄や収入を考慮してお互い負担が少ないようにして

「土地は夫の名義で、建物は妻の名義。その場合でも住宅ローン控除って受けられるの?」
実は、こうしたご相談はとても多いです。夫婦で協力してマイホームを購入する際に、「誰がどの部分を持つか」で税金の扱いが変わるのです。今回は、その中でも代表的なパターンを取り上げて、「住宅ローン控除が受けられるのかどうか」についてわかりやすく解説します!


住宅ローン控除とは?

まずは基本から確認しましょう。

住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを使ってマイホームを取得した人が、年末のローン残高に応じて所得税の控除を受けられる制度です。

【ざっくり概要】

  • 控除対象は、住宅を「取得」して、自分が「住む」ためのローン
  • 控除期間は最大13年間(令和4年改正以降)
  • 控除額は年末残高の0.7%(令和4年以降に契約した場合)

では、この控除を受けるためにはどんな要件があるのでしょうか?


住宅ローン控除を受けるための主な要件

ここがポイントです!

控除を受けられるのは「建物の所有者でローンの債務者」

つまり、「ローンを借りた人」と「建物の名義人」が同じであることが必要です。
さらに、その建物に実際に住んでいることも条件のひとつです。


よくあるケース:「夫が土地、妻が建物」の場合

それでは本題のケースを見ていきましょう。

夫:土地の購入資金をローンで借りる
妻:建物の建築資金をローンで借りる(妻の名義で建物建築)
住宅ローン控除はどうなるの?

この場合、以下のような形になります。

名義負担ローン契約者控除の可否
土地:夫購入代金を負担✕(土地のみでは控除不可)
建物:妻建築代金を負担◎(条件を満たせば控除可)

夫:土地のみのローン → 控除は受けられません

住宅ローン控除は建物に関しての控除です。
「土地だけ」では対象外なのです(ただし、建物と同時取得なら土地分も対象になりえますが、単独では不可)。

なので、住宅ローン控除を受けたいならば、建物も100万円分とか少額でもいいので、名義を持って、ローンを借りると建物分も土地分も住宅ローン控除を受けられます。
この場合、少額だからさっさと返しちゃおー!と言って、返済しちゃうと、土地の分の住宅ローン控除も受けられなくなるので、どんだけ少額でも住宅ローン控除が終わるまでは返済しないように気をつけましょう。

妻:建物の所有者かつローン契約者 → 控除OK!

妻が建物を所有しており、建築費用のローンも自分名義で借りている場合、住宅ローン控除の要件を満たします。もちろん、実際に居住していることも必要です。


注意点:「共有名義」や「連帯債務」の場合はどうなる?

ちなみに、夫婦が連名で建物を所有していたり、ローンを連帯債務で組んでいるケースでは、それぞれの持ち分と負担割合に応じて住宅ローン控除が適用されます。

  • 建物の登記が【夫:50%、妻:50%】
  • ローンも連帯債務(夫と妻が半分ずつ返済)

このような場合、夫婦それぞれが自分の分について住宅ローン控除を申請できます。

投稿者プロフィール

分かる税!編集部
分かる税!編集部
税理士事務所にてサイトを作って約10年。
税制は複雑化していく一方で、税理士を必要としない人々の税に関する知識は更新されていない…と感じ、より多くの人が正しい税知識を得て、よりよい生活をしてもらえたらいいなぁと思って開設したサイトです。

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